DATE 2008. 9.28 NO .
僕は振り向かない。
背を向けたまま、努めて冷静な、低い声音で答えを返す。
「そうだな、もし戻ってこなかったその時は――」
ユーリはたぶん、あっさりと肯定の返事をするだろう。
「――僕の代わりに死んでくれ」
それも短すぎるくらいの言葉で。
「ああ……」
僕の言葉が冗談であれ本気であれ、ドンが本当にあの書状を信じたなら間違いなく殺される状況下。
下町で、騎士団で、一緒に過ごしていた頃とは随分いろんなものが変わった。
変わってしまった。
それでも互いに何も後悔はないのは、よくわかっているけれど。
あまりにも、君の声に迷いが無さすぎて。
少し、どうしていいかわからなくなる。
君は死ぬなんて少しも思っていない。
僕が戻ってくると信じて疑っていない。
君の強さは、どこから来るんだ?
僕は、振り向かない。
ユーリの短い言葉の意味を、推し量りながら。
やけに見張りが少ないユニオン本部から出て見上げた空は、
相変わらずの、色。
君の言葉に応えるために、
今はただ、走る。
≪あとがき≫
やはり走れメロスは押さえとかねば。
でもちょっとフレンの察しが悪いよ! 外に出てからのユーリに戸惑ってる感じで。知ってはいるけど理解出来てない、みたいな。
フレンは互いに変わったと思っているけれど、二人とも信条というか柱というか大事なものは何も変わっていないんだよー、というコンセプト。
…すいません、未プレイです。
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